無呼吸症候群のための矯正治療

睡眠時に無呼吸になる「睡眠時無呼吸症候群」をご存知でしょうか?
無呼吸のおもな原因は、空気の通り道である上気道が物理的に狭く、空気が通る十分なスペースがないため十分な呼吸ができなくなっているからです。
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)患者さまのほとんどが、この閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSA)に該当しているといわれています。
上気道の狭窄については、理論上、上顎骨を拡大することで緩和されます。
ですが、成人で上顎骨を広げることは不可能といわれていました。
近年、UCLAのWon Moon教授の考案した装置によって、成人の方でも拡大することができるようになってきました。アメリカでは現在、睡眠時無呼吸症候群の治療のために、上顎骨を広げる矯正治療が行われています。

無呼吸の原因の2/3は鼻閉であり、1/3は気道(喉の狭さ)と言われています。
当院では、鼻閉を測定する耳鼻科用の測定器がありますので鼻閉を測定していますが、かなりの方が隠れ鼻閉があることが判明しています。


鼻閉がある場合は、レーザーによる鼻粘膜の腫脹の改善による鼻閉の改善や鼻中隔が湾曲している場合など耳鼻科医を通して大きな医療機関にご紹介させていただき、手術を適応することによる鼻閉の改善をするという場合もあります。
ですが、上顎骨をMSEII等を用いて拡大することでレーザー治療や鼻中隔湾曲の手術をしなくても鼻閉を大きく改善できる場合があり、無呼吸の原因の2/3を改善できることがあります。
上顎前突の方では、顎関節症により下顎頭が吸収を起こすため、下顎骨が後退することで気道も同時に狭くなることが多く発生しています。顎関節症の治療を行うことで同時に無呼吸の原因の1/3である気道を広げることができる場合があります。
上の顎だけ拡大すると上の歯列と下の歯列が合わなくなって困りますので、結果として全体矯正が必要になる場合があります。」

「いびきがある方や、就寝中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある方では、睡眠時無呼吸がみられる場合があります。気になる症状がある場合は、医科への受診をご検討ください。
当院の患者さまを拝見したかぎりでは、かなり多くの方がこの無呼吸をご存じなく、放置されている方が相当数おられます。無呼吸は、なるだけ早い内に発見して対処することが重要と考えられています。
MSEⅡとは
上顎の骨は正中縫合部で左右で対になっており、それぞれ左右の骨に2本ずつスクリューで装置を固定して左右の骨が拡大される装置になります。骨格的に拡大が可能なため、子供だけではなく成長の終わっている成人の患者さまにも使用することができます。
※上顎を骨格的に広げることで鼻腔が広がり、鼻づまりが解消されて口呼吸の改善が見られたり、イビキや睡眠時無呼吸の予防にもつながります。
ただし、拡大することで一時的に前歯に隙間ができます。希望があれば隙間を目立ちにくくするためにダミーの歯を入れることができます。
料金
拡大 ¥220,000(税込)
※矯正治療の併用が必要になります。(ケースにより別料金)
※料金はすべて税込表示です。本治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。
※治療期間・回数は症状により異なります。詳しくは料金表ページをご確認ください。
治療期間:装置の埋入設置は1回の来院で可能ですが、その後の拡大は症例によってことなります。
《治療等のおもなリスク、副作用について》
あまり高齢の方では拡大が行われない可能性があります。骨隆起がとくに大きい方、縫合部の接合がとくに強固な方では拡大ができないかあるいは手術を併用する場合があります。
《使用する医療機器について》
本治療に用いるエクスパンションスクリューは、薬機法上の認証を受けた管理医療機器です(販売名:MSE エクスパンションスクリュー/認証番号:226ADBZX00158000/製造販売業者:株式会社フォレスト・ワン/製造業者:BioMaterials Korea, Inc.(大韓民国))。当院で使用しているのは形状区分のタイプⅡで、株式会社グローバルエイト(卸売業者)を通じて入手しています。
認証された使用目的は「歯又は他の器材に付けて矯正力を付与するために用いること」であり、上顎骨の骨格的な拡大を目的とした使用は、認証された使用目的の範囲外となります。
本品は歯科矯正用のバンド等をろう着して患者さまごとに装置として完成させるため、完成した装置は薬機法の承認・認証の対象外となります。
上顎の骨格的拡大を使用目的として医薬品医療機器等法の承認又は認証を受けた装置は、国内には存在しません(2026年8月21日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて確認)。
認証された使用目的・使用方法に従わずに使用された場合は、原則として医薬品副作用被害救済制度および生物由来製品感染等被害救済制度の救済の対象となりません。

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